溺愛ごっこ
たまたま近くにいたジェラートを売っているおじさんに、理人は聞きに行った。

その間、あたしはつっ立っていた。

「Hey!」

その声に視線を向けると、見知らぬ男がいた。

もちろん、イタリア人である。

「…えーっと」

あたし、声かけられたんだよね?

男は笑顔であたしに話しかけている。

話している言葉は、もちろん地元のもの。

イタリア語を知らないあたしは返すことができない。

困ったな…。
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