溺愛ごっこ
「場所わかったから早く行こうか?」

少し不機嫌なのは、あたしの気のせいだろうか?

「…うん」

そんな不機嫌な彼に、あたしはうなずくことしかできなかった。


目的地を観光している間も、イカスミのパスタを食べている間も、理人が不機嫌なのは相変わらずだった。

新婚旅行先を勝手に決めたことに怒ってるのかな?

でも、何にも言わなかったじゃない。

あたしの好きなようにしたらいいって言う感じで、文句なんか1つも言わなかったくせに。

そんな気分でホテルの部屋についたとたん、理人に抱きしめられた。
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