溺愛ごっこ
そこで話は終わるはずだった。

しかし、
「あ、そうだ!」

安奈が何かをひらめいた。

何だ?

「じゃあさ、ハロウィンのコスプレさせるって言うのはどう?

あかりちゃんも亜美ちゃんも手伝ってさ!」

「はあっ?」

明るく言う安奈に、俺は意味がわからなかった。

気がついたら、俺の知らない間にあれよこれよと話が進んで…。

迎えた当日、10月31日。

この状況である。


亜美の魔女っ娘コスプレはすっげーエ…じゃない、色っぽいの何の!

客はデレデレである。

あのヤローなんか、鼻の下を伸ばすだけ伸ばしやがって…!

左手の薬指に光るものは何だ、おい!
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