溺愛ごっこ
今度はあたしが不思議な顔をする番だ。

滝本さんは砂糖もミルクも入っていないコーヒーを1口飲むと、
「その方が1番のプレゼントじゃないかって思うんですよね。

亜美さんがお兄さんのために考えたプレゼントが」
と、続けた。

「まあ要は…心ですよ。

お・も・て・な・し、おもてなし…ってヤツですよ」

ご丁寧にモノマネつきで解説してくれた。

それがよっぽど恥ずかしかったのか、滝本さんは隠すようにコーヒーに口をつけた。

あたしなりに考えたプレゼント…か。

滝本さんとカフェの前で別れると、あたしは東急ハンズに戻った。

プレゼントは…もう決まった。
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