百鬼夜行と暴走族 弍
お忍び旅行
璢美苓との死闘が終わって少ししたある日の昼下がり――
「なぁ、十六夜」
十六夜に膝枕をしてもらい、縁側で日向ぼっこ中の総大将、天堂
「暑いねぇ」
「相変わらずだなぁ~」
「総大将の助平!」
百鬼からはからかいなどの声が飛び交い、にやにやしたり呆れたりしながらも二人を優しく見つめている
「助平ってなんじゃ!夫婦だからいいじゃろうが......それより十六夜、温泉でも行って来い」
「どうして?」
「戦いもあって疲れただろ、行ってこい」
天堂は十六夜の療養も兼ねてゆっくりしてほしいと思っている
「でもあなたは行かないの?」
「ワシは百鬼夜行あるからな」
「なら行ってもつまらないですよ」
笑いながら少し目を逸らした十六夜
普段は綺麗で隙のない女、その反面儚いという印象が大きい十六夜