百鬼夜行と暴走族 弍



「と、いうわけで行こうと思うの。二人ともいいかな?」


二人というのは獅蛇と璢美苓だ


「女だけで、って言われたんだろ?優希はどうなんだよ」



「先約があるから無理なんですって」


残念そうな十六夜


何でもでもその日は鬼龍や傘下の打ち合わせがあるから、一人だけ行くのは気が引けるとのこと



「ふーん、まあ今回は異界の地だからな。行かないほうが安全だろうが」


「妾は温泉は初めてじゃ。よい所なのかのう?」


扇子で扇ぎながら気持ちよさそうに目を閉じた璢美苓


「へぇ、お前意外だな」


「どういう意味じゃ」


「いや…」


獅蛇が驚いたように目を見開く。普段からきらびやかな璢美苓のことだからそれくらいは知っていると思った



「景色も良くていい所よ、疲れがなくなるから」



「そうなのか、楽しみじゃのぅ」



優雅に微笑んだ璢美苓に十六夜も微笑んだ







< 105 / 393 >

この作品をシェア

pagetop