百鬼夜行と暴走族 弍
「行ってらっしゃいませ」
旅行当日、百鬼たちが門前で見送る
「うん、お言葉に甘えて」
ゆっくりしてきてくださいなど労る声が聞こえる
「いいなぁ、十六夜様」
羨ましそうな蓮華、百鬼夜行を休んで一緒に行きたいと前々から言っていたのだ
「今回は療養も兼ねてだ、十六夜様には疲れをとってもらうんだよ」
優しく諭す神楽に渋々頷く
「桜李に譲って百鬼夜行抜けたら行こうね」
「はい!」
「行くぞー」
獅蛇が待ちくたびれたように遠くから声をかける
獅蛇は待つのが嫌いなため、不機嫌になってしまう。そうなれば旅行を楽しめない。十六夜は挨拶を早く済ませて二人のもとへと向かった