百鬼夜行と暴走族 弍


「のぅ、十六夜」

璢美苓は獅蛇が眠ったのを見計らって切り出した


「何?」

璢美苓は俯いたが十六夜の視線を感じた


「前にも言うたが.........本当にすまなかった。許されず、取り返しのつかぬことをしてしまった」


「......」


十六夜は璢美苓が俯いているが微笑んでいた



「もういいの」


本当になんでもないような口ぶりに顔をあげる



「じゃが......」


「璢美苓がそう思ってくれただけでいいの。今度お墓参りに一緒に行こう」


その言葉に救われた


「そうじゃな、朔に謝りに...心を入れかえた、と」


それでいいの、と十六夜は縁の岩に腕をのせた

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