百鬼夜行と暴走族 弍
二人は温泉を楽しんでいたが何ならがやがやと煩くなってきた。男湯とは長い竹できちんと隔てられているが…
"おい、あれ十六夜だよな?うわー白い…あの細い肩と項うまそうだな"
"確かにな~、色っぺ~…"
"璢美苓もだぞ!あれ、獅蛇寝てんのか。つまんねぇ"
璢美苓は気づいて置いてあった扇子で風を吹かし、寝ていたと思われる獅蛇は指を動かして見えない糸で吊し上げて遠くに吹き飛ばした
「どうしたの?」
…気づいてなかった。十六夜は呑気に二人を振り返って問うた。二人は何でもないというのを装った
「出るからな」
「え?寝てたのに勿体ないよ」
「また朝入るからいいよ」
ざばっと一足先に上がる獅蛇を見送り二人は極楽を味わった