百鬼夜行と暴走族 弍


しばらく百鬼たちと話していると隣に座っていた天堂は十六夜の耳元で囁いた



「……」



囁かれた言葉に頬を染めて小さく頷いた十六夜は立ち上がり天堂は肩を抱いてこっそり大広間を出ていった




暗い縁側をしばらく歩いて向かったのは二人の自室



十六夜は息を吸い込んでゆっくり吐いた。久しぶりの雰囲気、においに微笑んだ



「はあ……久しぶり。やっぱり一番落ち着く…」


何も変わってない、と思って懐かしく棚を触ったりしていると後ろからゆっくり天堂は抱き締めてきた



刹那と対峙していた時にも抱き締め合ったがあの時はゆっくり出来なかった。だが今は安心できる。十六夜は首に回されている天堂の腕に両手をかけた



「よく帰って来たな……」


「うん…やっと会えました」



二人は同時に微笑んだ



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