百鬼夜行と暴走族 弍



天堂の腕に頭を乗せている十六夜は寒くなり天堂にすり寄った。天堂は十六夜の背中に手を添えて布団を肩まで掛けてやった



「身体大丈夫か?」


「…うん、平気よ」



頬を染めて笑った十六夜の髪を手で梳いて耳にかけた天堂は十六夜を抱き込んだ



「……寂しかったか?」


「えぇ…それに不安だった…」


「不安?」


抱き込んだまま顔を覗きこんだ天堂に十六夜は上目遣いで頷いた


「私が居ない間にあなたの隣に誰か居たらって考えたら……」


「大丈夫じゃ…十六夜だけじゃ、帰って来ないなら何十年、何百年待つぞ?」



俯いた十六夜の頭を撫でて何故か楽しそうに言う天堂に十六夜は安心してさらにすり寄り隙間がないくらいに抱き締め合った


「私もあなた…だけだから――ずっと待てる……」



頬を寄せ、見つめ合い唇を重ねる



そして部屋には再び切ない吐息が満ちた



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