百鬼夜行と暴走族 弍
「かわいいね」
よかった、この仔犬は危なくならずに済みそうだ
でもまだ違うけど妖怪なんだよね。いつ妖怪になるんだろう。見てみたい気もする
「妖怪としての力が出てくるまでここで伸び伸び暮らそうねー」
「あ、十六夜様。どうしたんですか?その犬」
十夜がやって来て、犬を不思議そうに見ていた
「さっき琉威たちが鳥居で拾ってきてくれたの。妖怪みたいだからここで一緒に暮らそうかなって、いい?」
「妖怪なんですか、まぁ十六夜様が決めたんなら皆何も言わないですよ」
名前はあるんですか、と聞きながら近くに座った
そういえば考えてないや、
「皆で考えようか、何がいいかな?」
皆からちび、豆助、柴、っていうありきたりな名前があがった
「俺は影狼がいい」
十夜が口を開いた
影狼、かっこいい名前だな。かっこよすぎるくらい…
「だって大きくなったら妖怪だろ?ならかっこいいのがいいだろ?」
十六夜さん、同意を求めてる