百鬼夜行と暴走族 弍



十六夜さんがヘルメットを俺に被せてくれた


少し走ると緑の妖怪が空を飛んでいるのがみえた


烏丸が錫杖を持ってこっちを気にしながら戦ってるのが分かる



「十六夜!来たなーーーっ!」


ケケケと気味の悪い笑い声をあげながらこっちへ向かってくる



このままじゃ…………怖い



「……信じて」




十六夜さんは俺の不安が分かったのか頭を背中に預けてきた




……不思議だな、それだけで不安が和らぐ



「……分かった、どうすればいい?」


「このままでいいよ。余計なことは何も考えずこのまま走り続けて…」



頷いて無心に、いつものように走る



十六夜さんがマフラーの部分に足をかけて立ち上がり、弓矢を構えてるのが分かる


妖怪は狙われないようにむちゃくちゃに飛び回りながら向かってくる




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