百鬼夜行と暴走族 弍


しばらくすると釜の中やら鍋からいいにおいが立ち込めてくる



ある程度支度が済むと百鬼たちを起こしにかかる



先ずは小さい妖怪から起こす


次いで翔炎たち。なかなか起きない十夜には力が要る。次に桜李



そして天堂




「起きてー、昼よ」


疲れているのは分かるが起きないと生活が乱れてしまうため百鬼夜行に間に合わない



「ん"、まだいいじゃろ……お前も寝ろ」


と寝ぼけ眼で腕を引っ張り十六夜を腕の中に収めてまた寝始める



十六夜は少しばかりそれを堪能して抜け出す



そして


「はやく来てね、皆待ってるから」


頬に口付けをする



こうすると起きる、というよりしなければ起きないのだ



以前しなかったときがあったのがその日はずっとむくれていた



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