百鬼夜行と暴走族 弍
もう水着も着たからこれなら人間にしか見えないだろう、と思った十六夜は術を解いて、人間にも見えるようにした
琉威たちは一日もたないと思っていたが、当の本人は影狼の顔を触ったりじゃれたりしていた
……十六夜は海には入らず、影狼と『海のいえ』に座っていた
その周りを男が囲ったのはいうまでもない
……中に女まで居るのは気になるが
ねぇ、一人?
どっから来たの?
一人なら遊ばね!?
犬なんかほっといてさぁ!
――周りから聞こえてくる誘いの声に十六夜は困惑していたが、平静を装って笑って断っていた