百鬼夜行と暴走族 弍
「曲者よ曲者よ、その悪しき力を封印し我に退治されたし!」
と叫びデカい二頭の鬼にお札を投げつけると断末魔のような声をあげて消えていった
よかった、一安心だ
「ついでに十六夜、お前も滅してくれる!」
恐れから解放されて一息ついたのに、とさっきと同じようにたくさんのお札を十六夜さんに投げつけて体にひっついた
十六夜さんを本気で退治しようとしてる
やめて…十六夜さんは悪い妖怪じゃないんだよ。お願いだからやめて…
喉まで出てるのにやめろと言えない間に呪文のようなものを唱える
お札が光って爆発し十六夜さんの周りを煙が包む
「「「十六夜さん!!」」」
川上を見ると真剣な表情で煙が取り巻いているところをみつめてる
「川上!何で!!」
「十六夜は悪、退治して当然だ」
と冷たい目で俺たちを見る
「てめぇ、言ってたじゃねぇか!妖怪全部を退治するわけじゃねぇって、十六夜さんは優しくていい妖怪なのに!」
「十六夜さん!」