百鬼夜行と暴走族 弍
「…そういうわけだ。疲れたろ?寝ろ」
煙管を片付け、宵美に羽織をかけておぶった
「し、獅蛇様、汚れます…下ろしてください」
宵美の身体は血だらけで汚れていた
「汚れねーよ、頑張った証だ。それにそんな足じゃ歩けねーだろ」
「あ、ありがとうございます…」
頑張った証
それが心に響いて涙が出てきた
「獅蛇様。ぼくは期待に応えられましたか、ちゃんと出来ましたか?」
大好きな温かい背中から問いかける
「……充分だ」
その言葉に頬が緩んで、身体中の痛みは気にならなくなっていた