百鬼夜行と暴走族 弍
「こんにちは~おばあちゃん」
店の奥に腰が曲がった老婆が居た
その老婆は声がした店先を覗くと十六夜の姿があった
「十六夜ちゃん、かい…?」
しゃがれた声が聞こえた
「えぇ、お久しぶりです。おばあちゃん」
よたよたする身体で出てきて十六夜を抱き締めた
「十六夜ちゃん、元気にしてたのかい?ずっと来てくれないから……私は寂しかったよ…」
くしゃくしゃ笑顔で十六夜を迎えたおばあちゃん"櫁さん"
「ごめんなさい、色々あって……苺大福が食べたくて来ました」
「おぉ、そうかいそうかい。ちょっと待っておくれよ。今から作るからな」
そこに座ってな、と言われたため十夜と外にある、赤い布が敷かれて番傘が立ててある長椅子に腰掛けた