百鬼夜行と暴走族 弍
十六夜は懐紙にのった苺大福をぱくりと一口食べた
「…やっぱりおいしいね~」
「本当、洋菓子よりおいしいです」
櫁さんが緑茶が入った三つの湯飲みを持ってきて十六夜の隣に座り、手渡した
「ん~、苺大福には緑茶だね」
十六夜の声を聞いて櫁さんが笑った
「十六夜ちゃん体調は大丈夫だったのかい?十夜くんたちも顔出してくれないから」
12年前のことは話せないため細部までは話さないが心配してくれていたのに、何でもない、では済ませれない
「うん、ちょっと崩した時もあるんだけどね。大丈夫」
「ごめんな、櫁ばあ。百鬼夜行が忙しくてよ」