百鬼夜行と暴走族 弍
十夜が連れてこられたのはある屋敷の地下だった
下は薄暗く、砂と石ばかりで埃が舞っているような綺麗とはいえない場所だった
十夜はそこに錠のようなものをはめられて横たわっていた
「十六夜は来るのか」
「来る……必ずな。十六夜と十夜は普通の絆ではなく特別なもののはずだ。十夜が危険だと知ったらすぐに乗り込んで来るだろう」
十夜がどれだけ十六夜を慕っているのか、妖怪たちは周知のようだ
「て、てめぇら……っ俺を囮に、…ハア、っ十六夜様を誘き出す、つもりかっ…」
全身に傷を負い、ぐったりしながらも離れている敵を睨み付ける
頭には二本の角
敵は鬼族の様だが人型だった
「ふん、お前と十六夜は絆が強いからな。一人でも来るだろう。」
「喜べ!お前と"白夜叉"は俺たちに殺されるんだからな!」