百鬼夜行と暴走族 弍



「十六夜様が、…お前らなんかにっ負けるか!」



それを聞いた鬼の一人が十夜のところまでやって来て見下ろす



そして十夜の顔を思い切り蹴りあげたのだ

口から血を流しながらも話し続ける


「がはっ、……くっ、……十六夜様には指一本触れさせねぇ!」



「はっ。自分のその無様な姿を見てからよくよくものを言うのだな」


「ぼろぼろなお前に何が出来るんだ!?」


はははっ、と馬鹿にしたような笑いをあげる



くそっ、十六夜様の足手まといになってしまう


そう言えば、櫁さんは無事なんだろうか


十六夜様はここに向かっているんだろうか


来てほしくない、自分の不注意でこんなことになってしまったのだから





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