百鬼夜行と暴走族 弍



十六夜は直前まで何もせず目を閉じていた




「どうした!?怖じ気づいたのか!?」

「ひゃひゃっ!一瞬だぜ~!」


爪を磨いで牙を剥き出しにして来る


ずっと目を閉じていた十六夜を真っ黒い闇が包んで鬼たちからは十六夜の姿が分からなくなった


「目眩ましのつもりか!」

「無駄だ無駄だ!」 


一瞬、怯んだが平静を装って再び勢いよく突っ込んでくる


今だ、と感じた十六夜は背中の帯に挟んでいた刀を素早く取りだし、前に突き出した



すると鬼たちは十六夜のは両脇を飛んでいき、後ろを見ると血を流して倒れていた




十六夜は直ぐ十夜に近寄り、刀で錠を外した



「十夜、大丈夫っ?」


十夜を抱き起こしながら傷を看る 


十夜はうっすら笑って



「なん、で一人で来てんですか、」


と言った



「…何となく。そんなことより身体はどうなの?」


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