百鬼夜行と暴走族 弍



「何とか、なりそうです」


「…そう、よかったわ。」

見るからに痛々しく触るのも可哀想だがこうしていると余計に酷くなるだろう


早く帰ろう、と十夜をおぶろうとすると



「お袋っ!」


桜李が急いで走って十夜の傍に座って容態をうかがった。


十夜がこんなにも傷を負っているとは



「十夜、大丈夫か?」


「桜李様、…大袈裟ですよ」


桜李が十夜をおぶって歩き出すと十夜は目を閉じてしまった



「十夜…櫁さんを守って怪我したんだな」


「えぇ。本当に頑張ってくれたの」


優しく微笑んで十夜の頭を撫でていたことを十夜は知らない





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