百鬼夜行と暴走族 弍
十六夜の涙声に何も言えず、ただ頷くだけだった
それだけで十六夜に伝わったはずだ
「……頑張ろうね」
十六夜の言葉に笑って頷いた十夜の顔は決意を表していた
百鬼夜行の直前、十夜はぼんやりと考えていた
自分が強くなることで守れるものがある
ならば最終目標は『自分が強くなる』ことだ
「十夜ー、行くぞぉ」
総大将の声が百鬼夜行の合図を表す
総大将の傍で強くなりたい、とこれからが正念場だと自分に言い聞かせ百鬼夜行に合流した
今まで焦っていた、早く強くならなければと。だが十六夜に言われて気づいた。ゆっくりでいいんだと
十夜の心は今まで以上にすっきりしていた