百鬼夜行と暴走族 弍
「うるさい!」
何も言い返せないのか...
「うちに協力してくれている妖怪から聞いたんだ!」
「だから、その妖怪の情報が間違ってるんだよ」
「左様、十六夜様は無駄な殺生はせぬお方。十六夜様が土地神を殺してこちらに何が残るのだ?」
確かに、そんなことしたら世間に悪い噂しか残らないし、どう考えても意味がない
「そ、れは」
「十六夜様を侮辱したからには覚悟はあんだろうな?」
十夜が大太刀、烏丸が錫杖を構えて戦闘体勢に入る
「は!?」
「当たり前であろう、そのようなお札まで十六夜様に投げつけおって!けしからんぞっ」
「このまんまじゃあ、十六夜様だけじゃなく、俺の矜持が許さねえ」
今まで黙っていた十六夜様が十夜に声をかけた
「十夜、ありがとう。もういいから」
「ですが俺の矜持が!」
矜持?
皆もわからないのか顔に出てる
「プライドのことよ」