百鬼夜行と暴走族 弍
どんっ!と大きな音が聞こえてびっくりした天堂たちは部屋を出ると既に百鬼たちが来ていて、庭には大きな茶色い鳥が落ちていた
「おい、どうした!」
天堂が知らない妖怪だったが近づくと弱々しく顔を上げた。頭や嘴、羽がむしられたように無惨な姿だった
雷斗たちは目を逸らしたくなる光景に息を呑んだ
十六夜は部屋に入ってるように促し障子を閉めた
「あ、なた、は……?」
黒い目、黄色く鋭く尖った嘴、ひと二人が乗れそうな巨体がひどく怪我をしていたのだ。
「ワシは天堂で、こっちは嫁の十六夜じゃ」
「十六夜です」
鳥は弱々しい顔を驚愕の色に変えて涙を流し始めた
「あなた、がたが、あのっ有名な、……私は鳶雄(とびお)、ですっ……助けて、いただき、たいと……ぉ、…」
百鬼夜行の本家に落ちたと分かり安心したのか気を失ってしまったため百鬼たちに手当てを急ぐように指示して回復するのを待つことにした