百鬼夜行と暴走族 弍
「…持って来たけど具合どう?」
「うん…だいぶよくなったよ」
十六夜がお粥を小皿に移しながら聞くと笑った琉威
「どれどれ…」
琉威の首を支えて額をこつんと合わせている十六夜は目を開けていて、綺麗な目に見入っていた琉威は十六夜と至近距離で目が合うと顔を赤らめた
「え、ほんとに大丈夫?」
「う、うんっ……十六夜さんの目が綺麗だったから」
恥ずかしそうに俯いた琉威が可愛いかったため十六夜は微笑んで琉威を抱き寄せた
「い、いい十六夜さんっ…」
恥ずかしい琉威はさらに顔を赤らめながらも十六夜の背中に手を回した
「琉威も、綺麗だね…私の色と似てる」
「ありがとう…でも普通じゃない色のせいで今まで…」
琉威の沈んだ声に十六夜は身体を離して琉威の頭を撫でた。
「…普通じゃない、ってことはない。世の中に"普通"とか"当たり前"なんてないと思うな。大人数対少人数ってだけ…外国では黒い目だけじゃなくて色素が薄かったりが多いでしょ?ここでは普通と思ってることがもっと広く目を向けると普通じゃないのよ?ここで琉威は選ばれたの」
「…選ばれた?」
「そう。琉威は貴重な存在なの…それだけでいいじゃない?」
「……何か分かった気がする」
はにかんだ琉威に十六夜も微笑んで頬に手を添えた。それだけでびくっとしたのに顔を近づけて目を覗き混んでこられたらもう目を瞑るしかなく、これ以上無いくらい恥ずかしくなった琉威は十六夜の目を手で封じた