百鬼夜行と暴走族 弍
「虎猫さんからではない、と…?」
「こちらが先に手を出された。負傷した猫が鳥に襲われたと言っていたのだ……それまでは仲が良くて交流があったがここ何年かはそんな関係だ…」
「そう、ですか」
「…私は眠たい、話が済んだら帰ってくれ」
話をする気は無いのか岩の上に寝転びいびきをかいて寝てしまったため、洞窟を出るともう日が沈みかけていた
何時間もかけて本家へと帰ると烏丸と雷斗たちが居て、一言挨拶を交わし烏丸と一緒に鳶雄のところへと向かった
「体調はどうかな?」
小屋がちょうど余っていて鳥に合うように藁などをかき集めてきて巣に近いように作られていた
鳶雄は巨体に包帯が巻かれていて、毛繕いをしていたが十六夜と烏丸が現れて頭を下げた
「はい…皆さんのお陰で」
よかった、と笑って薬湯を出して飲ませて十六夜は近くに座り、烏丸と鳶雄は報告を待った
「さっき話を聞いて来たんだけど、烏丸の話と違ってたわ…烏丸の話は虎猫さんたちからだって言ってたけど、虎猫さんの話だと鳥族さんからだと…だから仇をとったと」
それを聞いた烏丸と鳶雄は目を見開いて烏丸は怒った
「何の冗談かは知りませんが、あちらからが事実。そして何年もその状態です」
「はい、間違いなく…」
何年も関係が悪いことは一致しているがどちらが先か、については食い違っている