百鬼夜行と暴走族 弍




何日も行き来しているがずっと意見が食い違っているため第三者の関与があるのではと十六夜は考え始めた



「ねえ?鳥族に因縁があるのは猫族以外にある?」



唐突に聞いてきた十六夜に烏丸と鳶雄は互いを見合わせて頷いた


「そこまで因縁が深い…訳ではないんですが…狐、ですね」



「狐…?」



「はい…まぁ昔からいろいろとありまして。変幻自在ですしね…恥ずかしながら変化されて騙されたこともしばしば…」


烏丸と鳶雄が恥ずかしそうに俯いて十六夜は狐が関与していると思ったので次の日に虎猫のところを訪れた



「虎猫さんたちに鳥族さん以外に因縁があることは……?」



虎猫は長い前足を組み換えて顎をのせた



「特には無い……まあ狐くらいだろう。だがあると言ってもそんなに深くはないしあまり関わらん…」



両族とも狐繋がりがあると分かった十六夜は虎猫に鳥族も狐と関わりがあることを伝えると耳がぴくっと動いた


「…何、それは本当か?」


「えぇ、狐に会いたいと思います。どちらに居るか分かりますか?」


「…北に居るがな、遠いぞ」


北、か。端から端まで行くことになるとは…


仕方ないと苦笑いした十六夜は今日は疲れたためまた明日行こうと考え、本家に帰った





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