百鬼夜行と暴走族 弍
「十六夜殿…もう我慢ならん。死人が出た」
虎猫がそう言い、岩の上から飛びおりて滝で塞がれている洞窟の出口へと向かっていく
「どうしましたか?」
「我々の仲間が死んだ…仲間を集めて鳥族を襲う」
「……待ってください」
「待てだと!?仲間が死んだというのに何もせずにいろと言うつもりか!」
怒りの声をあげて振り返った虎は目をぎらりと光らせ牙をむく
それは猫というより、獣の虎だった
「いえ――」
少し微笑んだ十六夜は虎を見据え、その目力に虎は多少戦いた
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「十六夜様っ!」
本家に帰って来た十六夜を烏丸が待ち構えていてすぐに大急ぎで飛んできた
「鳥族の一羽が死にました…そのせいで鳥族は猫族を倒そうと立ち上がりもうどうにも出来ませぬ!」
それを聞いた十六夜は微笑んで周りを飛んでいた烏丸を腕に止まらせて頭を撫でた
「烏丸、お願いがあるの―――」
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何百万という鳥族と猫族が荒野を埋め尽くしていた
鳶雄も回復しており烏丸と最前線に立ち、虎と向き合っていた
「よくも仲間を殺したな……」
「何を訳の分からんことを…そちらが先だろう」
両族が睨みあっていて一触即発な状態