百鬼夜行と暴走族 弍
十六夜が足止めしている間に狐たちの周りを烏丸や虎たちが取り囲む
「我々の仲間をよくも殺したな…」
「仲間を殺し、今まで両族の関係を悪化させてきて…逃がすものか」
妖気が溢れだし、今にも両族いっせいに飛びかかりそうな勢いに狐は笑う
「仲間一人失ったくらいでそんなに血走るな」
「代わりがいるだろう」
何かが切れる音がした
許せないことを悪びれもなく平然と言う狐たちに両族の頭だけでなく皆が怒った
「そんな戯れ言をぬかしたこと――」
「後悔するだろう」
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「今まで悪かったな…烏」
「いや、こちらこそお前たちを傷つけた」
狐たちを見事打ち負かした両族は和解して解決した
「ではまた、何かあったら力になる」
「ああ、こちらもな―――十六夜殿」
「はい」
「本当に助かった。長年の争いも漸く終わり安心できる。十六夜殿も困ったときは言ってくれ、力になる」
微笑んだ十六夜に虎も微笑み仲間たちと山へ、鳥族は烏丸と十六夜に礼を言い一足先に清々しい顔で帰って行った