百鬼夜行と暴走族 弍
十六夜が声のした方を向くと男が白い襟巻きをして立っていた
髪は黒と白、目は金。群青の着流しを着て白い帯を粋に斜めに巻いて余った部分は提げている
十六夜は話しかけられたと分かったため頭を軽く下げた
「隣、いいかい」
十六夜は少し驚いたが笑って促した
天堂は隣に腰を下ろした
「ワシは天堂じゃ、お前さんは」
「...私は十六夜です」
そうか、綺麗な名じゃと小さく笑った
「お前さん、よくここに来てるな」
「知ってるんですか?」
「あぁ、ワシは夜にこの辺りをよく散歩するからな。何度もお前さんを見た」
「そうだったんですか」
小さく笑った十六夜