百鬼夜行と暴走族 弍
初めて説かされた気がする。天堂の言葉はすっと心に響いてくる
「そう、でしょうか」
「あぁ、ワシが言うんだから間違いねぇさ」
すごい自信、と口に手を添えて小さく笑う十六夜に天堂も笑った
「そうじゃ、お前さんは笑ってろ」
そろそろやべぇな、と立ち上がった天堂
「どうしたんですか?」
「いや、帰らねぇとな」
もう少し話してみたい、と思った十六夜だがどこで何をしているかは知らないため引き留めることはしなかった
なら、と襟巻きを外そうとした十六夜を手で制した天堂
「いい、明日で」
明日も来るつもりだったため大人しく返事をした十六夜
じゃあな、また明日と颯爽と帰って行った
それからずっと襟巻きの温かさが全身を包んでいてその温かさについ微笑んでいた十六夜だった