百鬼夜行と暴走族 弍
次の日十六夜は同じ場所に座っていると雪が降ってきた
昨日預かった襟巻きはしているため寒くはなかった
「よぉ、十六夜」
暗く雪が舞い降りて来る様を見上げていると片手を上げ濃紺の番傘をさして現れた
「お前さん、雪だというのに」
傘を十六夜にもさして肩を引き寄せた
「あの...」
あまりに自然な動きに頬を染めて少しだけ俯いた十六夜
「お前さん、綺麗だがかわいいのぅ」
スルッと頬を撫でた天堂
「からかわないでください」
「からかってはおらん......お前さん、十六夜に惚れてるんじゃ」
耳を疑った
こんなかっこよくて素敵なひとが私を......
しかし真剣な表情でからかったり嘘を言っているようには思えない
その証拠に十六夜を射るような力強く、熱を帯びた目で見つめる