百鬼夜行と暴走族 弍


「なぁに、今すぐ返事を聞かせてくれ、なんて急かさねぇがな。考えといてくれ」


ニカッと笑う天堂に十六夜は少し微笑んで頭を下げる



「......はい」


それから、と懐から出したのは鈴の耳飾り

ちりん、ちりんと細い音が響く


「ワシからじゃ」


つけてやる、と十六夜が口を開く前に両耳についていた

「これは?」



「鈴の耳飾りじゃ、.....思った通りじゃ、似合うな」

十六夜の耳を触りながら笑う


耳に熱が集まるのを感じながら礼を告げる


「...もううち明けたんだ、ワシは遠慮はせんぞ」


「え、?」


意味が分からず首をかしげたが天堂は笑うだけ




そうこうしていると天堂は帰らなければならない時間だ



帰るか、と立ち上がった天堂に十六夜は襟巻きを差し出す



「あぁ、やるよ」


寒くてちょうどよく、温もりをはなしたくない十六夜は有り難くもらった


しかし天堂は帰らずに十六夜を見たまま






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