百鬼夜行と暴走族 弍
「どんな方なんです?」
「知りたい知りたい!」
冷静な神楽と天堂の色恋に興味津々の百鬼たち
神楽は天堂を慕っているが恋慕の情ではないため嫉妬はしなかったが、どんな女にも振り向かなかった男が、ついに惚れた女ができたと知ると気にならない訳がなかった
「総大将、誰なんですか!?」
「拝見しとうございますわ」
「わたくしも是非...」
黒い長髪、赤い帯で白い着物。肩口を出して容姿に自信のある女が天堂にしなだれかかる
匂いがきついな
苦笑いしながら、さりげなく女の手を外して立ち上がる
「ワシの想いは伝えた、あとは返事を待つだけじゃ。これからワシは毎夜その女に会いに行くからな」
もう寝る、とこれから会わせるつもりで今からぺらぺら話すことはしたくなかったため自室へと向かった
「......夜這い、か」
前鬼の呟きを聞いた女たちは絶句していた