百鬼夜行と暴走族 弍
天堂は十六夜の家へ来て皆で楽しく話していた
何日も通っているため、翔炎たちは仲良くなり、十夜は最初気まずかったが天堂の人柄にそれも段々無くなっていた
「これから十六夜をワシの家へ連れていって百鬼たちに紹介したいんだがいいか?…帰りはもちろん送る」
はぁ、ついにこの時が来てしまったか、と嬉しいような寂しいような複雑な気分になる
送ると言われて快く送り出した翔炎は十夜が騒がないことを祈る
暗い道できちんと整備されていない獣道を転ばないように天堂は十六夜の手を握る
十六夜は当然、どきっとしたが天堂は気づいていないかのように振る舞う
「緊張しなくていいからな」
それが百鬼夜行のことだと分かった十六夜は多少の不安を抱えながらも笑顔で頷いた
そして天堂の家に到着して手を繋いだまま広間に入ると今まで見たことがない絶世の美女に百鬼たちは釘付け
そして女たちは十六夜の容姿と周りの反応に嫉妬してささっと出ていった