百鬼夜行と暴走族 弍


翔炎たちとの約束通り、十六夜を送り届けた天堂はすぐに帰らず十六夜と話をしていた



「ありがとうございました、楽しかったです」


「悪かったな、ワシんとこの女がな......気づいてただろ?」


「はい、でも大丈夫です」



恐らくあの女たちは天堂を好いている


自分よりも長く居て、ずっと想っている。そんな中、ついこの間知り合った女が急に出てくればそれは腹が立つのも当たり前



「あなたを好いているんですね、」



「......」


鈍くない天堂はあの女たちの気持ちに気づいているが…本気ではないだろう


俯いた十六夜に何も言えずふっと笑って頭を撫でた




ガラガラ


玄関が開いて十夜が姿を現した



「お帰りなさい…天堂さん、ちょっといいですか」



二人で話したい雰囲気だったので十六夜は天堂に礼を告げ家に入った






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