百鬼夜行と暴走族 弍



「なんじゃ?」


「十六夜様を幸せにすると約束してください」


「......」


「十六夜様は朔のことがあって、自分の幸せに臆病になってます。十六夜様は天堂さんに惹かれているはずです。」


「......」 


「だから十六夜様が渋ったら無理矢理にでもモノにしてください。そして十六夜様が何にも怯えることなく、幸せにしてあげてください」



お願いします、と頭を下げた




「お前さん、十夜は十六夜に惚れてるんだな」


確信したように言われ、頭を下げたまま顔に熱が集まるのを感じた

「俺じゃ、十六夜様は守れない」


「...安心しろ。無理ごいはせんからな、待つさ。それから幸せは当然じゃ。ワシの女だからな」


じゃあな、と帰っていった




「相変わらず、自信家だ」



呆れたように笑ったが安心した、

十六夜を一番に考えていることがわかってよかった





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