百鬼夜行と暴走族 弍
前だけを見つめ、どんなものにも戦かない"あのひと"と夫婦になれる
それは十六夜の心を熱くさせた
幸せだ、このうえなく......
そんな思いをずっと馳せていた
「疲れたか?」
「少しだけ...」
隣に腰を下ろした天堂は肩を抱き寄せた
それに対して恥ずかしいという感情は一切無くなり、安心した
天堂の肩に寄り掛かる
だがこれから起こる出来事にどきどきと胸が高鳴る
祝言の後の契りだ
「十六夜......怖いならまだいいぞ。」
「?」
「あんなめにあったんだ、当然だ」
香弦のときのことを言っている
このひとはどれだけ私のことを考えてくれてるんだろう、と心がほかほかした
「大丈夫です、天堂さんなら.....怖くないです」
そうか、と安心したように笑い、十六夜を正面から抱き締める