百鬼夜行と暴走族 弍






――痛かった


だが愛しい痛みだった


天堂は十六夜の涙を掬い、汗をかいたその身体をぎゅっと抱き締めた


外は雪が降っているが互いの体温で温められ寒くなかった



肌を合わせているだけで切ないのに互いの鼓動が同調してそれが余計に十六夜を切なくさせた


「十六夜......愛してる」


「天堂さっ、私も、です......」


それを聞いた天堂はさらに強く力を込め、十六夜もその広い背中に腕をまわした


互いの身体に隙間が無いほどに抱き締めあい、深い口づけを交わし続けた二人


果てた後、天堂の腕に抱かれた十六夜は思う

 
皆のお陰で行えた祝言、こんな素敵な出来事忘れないでおこうと……




翌朝、さんざん百鬼夜行にからかわれた二人


十六夜は恥ずかしがっていたが天堂は平気らしく何を言われても堂々としていた



本家は十六夜の家に移した


朔との思い出が詰まった家だという十六夜を考慮したためだ





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