百鬼夜行と暴走族 弍
「何とかって言われてもなぁ…得体の知れねぇもんだしなぁ。妖怪じゃねえんだろ?」
頬をぽりぽり掻きながら俯いた天堂に十六夜は笑って十夜に頭をあげさせた
「このひとは百鬼夜行だから私が行くわよ?」
「え!?俺も百鬼夜行ある…」
「いや、休んでいいぞ?自分で片付けて確かめねぇと後が気持ち悪ぃしな」
天堂に百鬼夜行を休むといい、と言われ嬉しいような行きたくないような複雑な気持ちになった
「十六夜、大丈夫か?」
「ん?大丈夫。十夜居るし…獅蛇も行くから」
「はぁん?何でアタシが…」
この件には首を突っ込まないように話に入らなかったのだが見事、十六夜に引っ張りこまれた。だが十六夜の笑顔に見つめられれば断れず渋々頷いた
「大丈夫」
「そうか。何かあったら言え?…心配じゃ」
十六夜の頭を撫でて二人が居るのに抱き締めた。十六夜も抱き締め返して頷いた。十夜はまた頭を抱えて突っ伏し唸っていた
「ケッ」
面倒なことにかり出されひとの気も知らないでいちゃいちゃする二人に毒づいて再び寝転がった