百鬼夜行と暴走族 弍
歩きにくいながらも屋敷を確かめていたときしゃんしゃん、と鈴の音が聞こえてきた。十六夜の耳飾りの鈴ではない
ドーンッ、バリバリ!
「ひぃー!……十六夜様あれ、ああれ!」
震える指を前方に向けた。廊下の向こう、雷の光で何者かの影が…
「ああああ!お助けーーー!」
ついに踏ん張っていることに耐えられなく十六夜を置いて走り去った十夜
「十夜っ」
十夜は既に居なくなっており前を見ると暗がりから足音が確実に迫っていた
どうしたら、と迷っているとだんだん姿が現れてきた
「おおっ、十六夜ではないか?こんな所で何をしておるのじゃ」
聞き覚えのある声、そう思いぱっと見ると相変わらずきらびやかな着物を何重にも羽織っている澑美苓だった