百鬼夜行と暴走族 弍



一気に力が抜けた十六夜は額に手を当てて息を大きく吐いた



「それは、私が聞きたいわよ」


「妾か?この屋敷は妾のものなのだぞ」


「え、…?じゃあ、あなた以外には」


「んん、居らぬが?」



十六夜を不思議そうに見ている澑美苓。十六夜は我にかえり疑問に思っていたことを聞いた



「十夜が、あなたの屋敷の近くを散歩していたら幽霊が呪ってやる、と言って来たらしくてね。だから実態を確かめようと来たの」


「ほ~、じめじめして暑いのぅ……そなたと十夜?とか言ったか、二人以外に誰か居るのか?」


「えぇ、獅蛇も」



そうかそうか、と笑いながら十夜が逃げていった方へと歩いて行ったため着いていく



「ところで十夜が見たものは?」


「あれは妾の術じゃ、やましいことなどないがここに来られるのはあまり好かん」

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