百鬼夜行と暴走族 弍



十夜を追い払うために澑美苓がしたこと


安心した十六夜を見て微笑んだ澑美苓は黒い羽根がついた扇子で扇ぎながら問うた


「そなたも怖かったのか」


「だって、幽霊だもの。仕方な――あ、獅蛇」



二人並んで歩いていると角から獅蛇が出て来てびっくりしていた



「澑美苓?久しぶりだなー、何で居るんだ?」


「ほほほ、ここは妾の屋敷でな。十夜が見た幽霊は妾が追い払うための術。それ故案ずることはない」


「ふーん、そういうことか……掃除しろよ、あちこち埃だらけで蜘蛛もたくさんだ」


「余計なお世話じゃな、蜘蛛ならそなたにくれてやろ?蜘蛛を従えておるじゃろ?」



いや、いいわと苦笑いして遠慮した獅蛇に微笑んで思い出したように声をあげた


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