百鬼夜行と暴走族 弍
肩を落として歩いていると後ろから不気味な気配を感じて恐る恐る振り返ると白く透けたものが漂っている。しかもだんだん近寄ってくる
「っ、ぎゃー!」
一目散に逃げるがすぐに追いつかれまた囁かれた
『呪ってやる、呪ってやる』
「ひー!」
『我先にと逃げるか…』
「ごめんなさいーー!」
坂を転げ落ちるようにして下り、本家まで休まず逃げた
「総大将!」
本家に逃げ帰った十夜は天堂の部屋を開けて呼んだ。汗だく、息切れ、強ばった表情に天堂はただならぬ事態を感じた
「十六夜様が、まだ、はぁっ……屋敷に!十六夜様が!…危ないっ」
十夜を置いて天堂は場所を聞いて急いで屋敷へと向かった