百鬼夜行と暴走族 弍
「十夜に謝らないと…」
「何でだよ」
「よいよい、謝らんでも。そなたを守ると言っていたのだろう?己可愛さに我先にと逃げた薄情な奴よ」
ほほほと高笑いする澑美苓と、獅蛇だが十六夜は申し訳なさでいっぱいだった
誰だって自分が危ないと分かると逃げたいもの、仕方ないことだから
そんなことを考えながら敷地の外に出た三人。その時
「十六夜っ」
「あなた…?」
十六夜に駆け寄った天堂は全身を眺めて怪我がないことが分かるとほっとして抱き締めた。十六夜も事態が収まったことに安心して天堂の背に手を回した
「無事で良かった……じゃが騒ぎはどうなった?」
「うん、実は幽霊は澑美苓が屋敷に近づかないように術で出現させたものだったの。だから心配しないで」
「そうか、なら十夜は知らねぇのか」
その発言で十夜は本家まで辿り着けたんだと分かった十六夜は安心した