百鬼夜行と暴走族 弍
「当然じゃ、そなたの妻を守ると言っておったらしいが我先にと逃げたのじゃ。良い薬ではないのかえ?」
「あぁ…」
澑美苓は十六夜との因縁を断ち切ったら十六夜を慕うようになった。初めて出来た友達だからだろう
ほくそ笑んだ澑美苓に顔を引きつらせて笑った天堂
「ねぇ、ここに住んでいるのなら綺麗にしない?」
「んん、そなたが言うのであればそうしようかの」
アタシが言ったときは余計なお世話じゃな、と言ったくせにと内心獅蛇は愚痴ったが黙っていた
「まぁ、何にせよでかい騒ぎにならずに良かった…十六夜も無事じゃからな」
「わざわざ来てくれてありがとう……汗だくになって」
手拭いで額や首の汗を拭う十六夜に天堂は笑って十六夜の腰に腕を回して引き寄せた