百鬼夜行と暴走族 弍



獅蛇にヤられた男が地面に転がっている。獅蛇に掴まれている男は怯えて震えている


後ろで見ていた琉威たちも威圧感から動けない。分かっていたことだがやはり妖怪だ。中でも獅蛇や十六夜は別格の強さ


ここに十六夜が居れば共闘が見れたのにと一同は少しがっかりした



「分かっていることだが潔くてめぇの口から白状したらどうだ?」


「…っ、そう、だよっ…!」



痛みと胸ぐらを掴んでいるため苦しいらしい。パッと手を放すと地面に落ちた



「私なんか役にたたないのに…親切に、助けてくれてありがとうねぇ…」



「ばあさん、役にたたないってことねぇんだぜ?…今まで充分たってきたんじゃねぇの?だから年寄りだからって若い奴らに遠慮することねぇよ。まだまだ孫の世話だってじいさんの世話だって出来る年だ。諦めんな」



そんな話をしているときにちょうど救急車と警察が来たため、救急車に乗り込む老婆を見送ってその場をあとにした


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