百鬼夜行と暴走族 弍
琉威たちが訳も分からずポカンとしているなか獅蛇は鬱陶しそうに手でシッシッと払いのけるしぐさをした
「お前らのためじゃねぇよ。偶然だ偶然」
首の後ろに手をやる獅蛇だが男たちは目をきらきらさせて歩み寄る
「いいえ!会えたから約束は守ってもらいます!」
「獅蛇さんは会えたらって言いました。わざわざ俺らのために来たら、とは言いませんでしたからねっ」
「……いや?アタシは"お前らのために"って言ったぜ?聞き間違いだろ。……じゃあな」
獅蛇に見送られた琉威たちだが気になって仕方ない
「獅蛇どうしたのかな?」
「分かんね。でも、弟子とか言ってたよな?」
「十六夜さんにうだってたのはそういうことだったんだな…」
「あー、大変だなー」
「…」
「まー、獅蛇かっこいいしね。仕方ないよ」
獅蛇の苦労も知らず呑気な鬼龍だった
「勘弁してくれー!!」